うつ病と家族の協力

投稿日:2013年3月29日|カテゴリ:コラム

患者さんの家族や、会社の上司の方から相談を受けることがあります。

「自宅で療養中ですが、どう接したらいいですか」とか、「復職して毎日会社に来ているが社内での日々の対応の仕方はいかがなものか?」など。

うつ病患者さんについての質問が多いので、そのことに関してになりますが、基本的に普通に接していてよいと思います。叱咤激励、「がんばれ」ではないけれど本人を追い込むような言動、「早く仕事に戻ってほしい」などというそぶり、態度などは控えていただきたいです。そばで静かに温かく見守っている、というようなスタンスが良いと思います。それ以外、あまり気を遣わなくてよいでしょう。

このような態度も含め、周囲の協力はとても大切です。

特に家族が本人、そして本人の病気を理解している、少なくとも理解しようとしているということ(そしてそれに基づいた対応)は病気の症状の改善にいい方向に作用します。

そうではなくて、親や配偶者が理解を示さず、「気持ちで直るはず」「なまけているだけだ、性格の問題だ」「薬なんかに頼るな」「薬漬けになってしまうよ」など、本人に浴びせ掛けたりする場合は、療養する環境としては良くないです。治るものも治りづらくなるでしょうね。

そのようなケースでは、家族に来院してもらい、主治医が「性格の問題ではなく本人が病気である」ということの説明したり、家族の対応の仕方、理解をしていただけるように説明、というよりお願いしたりします。しかし、わかってくださらない場合も結構ありますね。最悪の場合は、家族から離すために入院ということも考慮します。

こころは外から見えない世界。性格が内向的で心に興味を持っているとか、自分が心の病気になって辛い経験をしたことがある人たちは患者さんのこころに寄り添った対応をしてくれるようですね。