パニック症とは

予期しないパニック発作が繰り返し起こり、「また発作が起きるのではないか」という強い不安(予期不安)を伴う障害です。
検査をしても身体的な異常は見つかりません。

7〜9%

パニック発作の有病率

1.5〜4%

パニック症の有病率

20代後半

発病が多い年代

※ 男女ほぼ同数の割合で発症するとされています。

パニック発作とは

強い不安や恐怖とともに、以下の症状のうち4つ以上が突然あらわれ、通常10分以内にピークに達します(多くの場合、30分以内に治まります)。

パニック発作の主な症状

  • 動悸
  • 発汗
  • 身震い
  • 四肢のしびれ
  • 息切れ感
  • 窒息感
  • 胸痛・胸部不快感
  • 吐き気・腹部の不快感
  • めまい感
  • 気が遠くなる感じ
  • 現実感の消失
  • 離人症状

検査では異常が見つかりません

心電図、心エコー、脳波、頭部CT・MRI、ホルモン検査などを行っても、発作症状を説明できる異常所見は認められません。「身体には問題がないのに症状が出る」ことがパニック症の特徴です。

広場恐怖について

パニック発作を経験した方の約75%が「広場恐怖」を伴います。これは、発作が起きたときに助けを求められない場所や、すぐに逃げ出せない場所を強い不安とともに避けてしまう状態です。

不安を感じやすい場所の例

  • 電車(満員状態・快速・不慮の停車)
  • 飛行機
  • 地下鉄
  • トンネル
  • エレベーター
  • 窓のない部屋
  • 美容院
  • 歯医者
  • 映画館
  • 高速道路

パニック症の原因

パニック障害は、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れやすい体質的な要因が関係していると考えられています。不安は交感神経の過剰な反応と関連しており、ノルアドレナリンの増加やセロトニンの減少が不安を引き起こすとされています。

脳内の「恐怖ネットワーク」(扁桃体―視床下部・脳幹―海馬・前頭前野)のいずれかに障害が生じることでパニック障害が起きるという考えが提唱されています。

悪化させやすい要因

過労やストレスが強く関係するほか、アルコール・ニコチン・カフェインの過剰摂取も不安を強める要因になるといわれています。

治療について

パニック障害は適切な治療によって改善が期待できる病気です。
当院では、薬物療法を中心に、認知行動療法的対応やリラクゼーション指導を組み合わせた治療を行います。

薬物療法

症状や状態に応じて、以下のお薬を使い分けます。

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)— 恐怖ネットワークに作用し、不安・恐怖を軽減します。パニック症の第一選択薬です。エスシタロプラム、セルトラリン、パロキセチンなどの薬があります。
  • 抗不安薬 — 即効性があり、発作時の頓用としても使用できます
  • 抗精神病薬 — SSRIで十分な効果が得られない場合に使用します
  • βブロッカー — 動悸や震えなどの身体症状を抑えます

認知行動療法的対応

不安を引き起こす考え方のパターンに気づいてもらい、変更していけるよう、共に考えていきます。

リラクゼーション

自律訓練法や筋弛緩法など、練習を重ねることで不安や緊張を自分で和らげるスキルを身につけていきます。日常生活に取り入れることで、発作への対処力が高まります。